土地の所有権とは?

土地の所有権は法令の制限内において平面的には隣地との境界になり、またその土地の上下にも及びます。

所有者は、自由にその土地を使用、収益、処分することができ、登記をすることでその権利が保護されます。

  • 使用→土地に家を建て住むなど
  • 収益→土地を貸して地代を得るなど
  • 処分→土地を売却するなど

所有者は不動産登記簿に登記することにより自己の権利を主張することができます。登記をしないことは違法ではありませんが有事の際に権利を主張することができません。

土地の上下についてですが、地下については「大深度地下使用法」(国土交通省HPより)により地表から40mまでが所有権の及ぶ範囲とされており、上空についての「空中権」は日本の法律上で規定されている法令はありません。

上述については、昨今問題になることがあります。

  • 所有地の上空を航空機やドローンが飛行する
  • 所有地の上空に高圧線や送電線を設置する
  • 所有地の地下に地下鉄や下水道、道路を建設する

尚、身近なところで言うと、隣地から樹木などの枝葉が所有地に入ってきた場合は、邪魔でも木は隣地の所有物となりますので、勝手に切ることはできません。隣地の方に切ってしてもらいましょう。もし「そちらで切ってもらって構わない」などと言われた場合には、切りすぎた場合や誤って他の木を切ってしまった場合など、後のトラブルを避けるために「同意書」を書いてもらいましょう。ただ、「同意書」などは仰々しく、その後に近所付き合いがしづらくなる可能性もあるので、普段から隣地の方と交流して信頼関係を築いておくといいですね。

ちなみに 、隣地の木の根だった場合は法律上、自身で切ってしまうことが可能です。ただ、隣地の方に黙って切るとこちらについても同様に今後の近所づきあいに響く可能性があるかもしれません。できれば切る前に一言断りを入れておくことが賢明かと思われます。

不動産と動産とは?


日本での不動産とは、民法によれば土地およびその定着物と定義されています。また土地と建物は別々の財産として取り扱われいます。

それぞれの権利関係を明確にするため不動産登記制度があります。定着物については建物・立木・橋・石垣などになります。

一方の動産とは、動かすことのできる財産のことで、民法では「不動産以外のものは、すべて動産とする」と定義づけされています。

ただし、自動車は動産と思われがちですが不動産として扱われます。民法では自動車が動産として扱われるはずですが、自動車には登録制度や抵当権の設定があるため不動産扱いとなります。大型船舶や航空機もその類になります。不動産と動産の別を明確に判断することはなかなか難しいかと思います。

不動産売買における上述の不動産・動産という観点において、売主・買主双方の見解が違っていると売却時にトラブルになる可能があります。トラブルにならいないように定着物かどうかなど不動産として扱うものに関しては予め契約書内でキチンと決めておくと安心です。

不動産は資産価値の高いものであるため、簡単な譲渡だけでなく登録までキチンとしておく必要があります。後にトラブルにならないように不動産と動産の違いに注意して取り扱うようにしましょう。